コーポレート・ガバナンスの状況
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
西武グループは、グループの経営理念および経営方針である「グループビジョン」と、グループのコンプライアンスに関する基本原則を定めた「西武グループ企業倫理規範 」のもと、事業活動を通じてその社会的責任を果たすとともに、株主の皆さま及びお客さまをはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を獲得し、企業価値・株主価値を極大化させることに努めております。コーポレート・ガバナンスの一層の推進をはかるため、経営の健全性・透明性の向上、取締役会を中心としたより高度な経営の意思決定及びその迅速化、グループ全体の内部統制システムの継続的な強化に努めております。また株主の皆さまの権利・平等性を確保するとともに、中長期的な企業価値・株主価値の向上をはかるため、株主の皆さまとの建設的な対話をおこなうほか、適時適切な情報開示、すべてのステークホルダーとの適切な協働にも努めております。
会社の機関の内容(現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要)
■機関の内容
西武ホールディングスは、監査役制度を採用しており、会社の機関として会社法で定められた株主総会、取締役会及び監査役会を設置しております。
当社の取締役会は、取締役11名、うち社外取締役は4名(すべて独立役員)で構成され、原則1ヵ月に1回以上開催し、法令で定められた事項のほか、経営に関する重要事項の決定や業務執行の監督をしております。
特に、社外取締役は、その豊富な知見と見識を経営に反映させるとともに、客観性、独立性を有する立場から経営の公正性を高める重要な役割を果たし、コーポレート・ガバナンス及び内部統制システムのさらなる強化に資すると考えることから、3分の1以上の社外取締役を選任しております。
取締役候補者の決定及び取締役の報酬決定にあたっては、その決定の客観性を確保するため、独立社外取締役が議長を務め、独立社外取締役4名を過半数の委員とする指名諮問委員会及び報酬諮問委員会において助言を得ております。また、取締役会が、取締役会全体の実効性に関する分析・評価を行い、その機能の向上を図るにあたり、独立的・客観的立場から助言を得るための諮問機関であり、独立社外取締役が議長を務め、独立社外取締役4名を過半数の委員とするコーポレート・ガバナンス会議を設置しております。
監査役会は、監査役4名、うち社外監査役は2名(すべて独立役員)で構成され、原則1ヵ月に1回以上開催しております。各監査役は、取締役会そのほか重要な会議に出席し意見を述べるとともに、代表取締役との意見交換や取締役などから適宜業務の執行状況を聴取することなどにより、取締役の職務執行の適正性及び適法性監査を基本としております。また、子会社を対象とした調査を実施し、西武グループ全体の内部統制システムの強化・確立に向けて、当社による経営管理が徹底されているかを監査しております。
なお当社では、経営環境の変化に柔軟に対応し、意思決定と業務執行の迅速化・効率化がはかられるなどの理由から、執行役員制度を採用しており、取締役会に付議すべき事項を含む重要事項について執行役員などにより審議を行う機関として、取締役・執行役員・監査役・主要事業会社社長を構成員とする経営会議を設置しております。経営会議は原則1ヵ月に2回開催し、意思決定の質の向上をはかっております。
また、グループ全体のコンプライアンス体制の統括を行う機関として、社長執行役員・関係執行役員・主要事業会社社長・社外有識者を構成員とする西武グループ企業倫理委員会を設置し、年5回開催しております。
さらに、グループの財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価に関する審議機関として、社長執行役員・社内取締役・主要事業会社社長などを構成員とする日本版Sox法対応委員会を設置し、通常年1回開催しております。その他、サステナビリティアクションに関する方向性の決定及び進捗状況のモニタリングをおこなう機関として、CEO、社長執行役員、経営戦略部担当執行役員、主要事業会社社長を構成員とする西武グループサステナビリティ委員会を設置し、原則年2回開催しております。
各機関の詳細はこちらをご覧ください。
■内部監査及び会計監査の状況
内部監査については、業務執行部門から独立した監査・内部統制部を設置し、業務執行の健全性を維持するため、部門長の他、7名の内部監査専任スタッフを配置して内部監査を実施しております。また金融商品取引法における内部統制報告制度については、同部内10名の専任スタッフを配置して、財務報告にかかる内部統制の有効性評価を実施しております。そして、内部統制システムの有効性及び効率性を検証・評価し、業務執行の健全性を維持するためのモニタリングを行っております。監査・内部統制部は定期的に監査役及び会計監査人と連携をとっております。会計監査業務については、EY新日本有限責任監査法人が執行しております。2021年度、当該監査法人において当社の会計監査業務を執行した公認会計士は鈴木裕司氏、鈴木理氏、守屋貴浩氏であります。当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士19名、その他29名であります。
■責任限定契約
当社は社外取締役4名及び 社外監査役2名と責任限定契約を締結しております。
現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由
当社の取締役会は、持株会社として経営資源の適正配分、事業経営の監督などを行うため、グループの事業やその管理に精通した取締役と、豊富な知見・見識を有する独立した社外取締役で構成されております。また、社外監査役や弁護士、公認会計士など、社外の専門家に意見・助言を求めることにより、意思決定の質を高める機能を確保しております。
また、社外取締役及び社外監査役は、社内出身者とは異なる職歴や経験、知識などに基づき、客観性、中立性及び独立性を有する立場から経営に対する有効な意見などを提供するなど、経営監視機能を高める役割、機能を担っており、コーポレート・ガバナンス及び内部統制システムのさらなる強化に資するものと考えております。
以上の経営体制を通じて、多様な知見・見識を踏まえた意思決定をおこなうとともに業務執行状況を適正に監査・監督することで、経営の健全性及び透明性を確保することができると考えております。
会社の機関・内部統制の関係
西武ホールディングスの機関および内部統制の関係の模式図は次のとおりであります。
内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
西武ホールディングスでは、内部統制システムのさらなる強化が、中長期的なグループ全体の企業価値極大化に資するものととらえており、事業年度のはじめに前事業年度の取り組み状況を踏まえたうえで、「西武ホールディングス内部統制基本方針」の各項目に基づいた年間計画を策定し、取締役会に報告しております。中間期においては、取締役会にて、年間計画の進捗状況を報告するとともに下期における留意点等を確認することによりその実効性を担保しています。また、事業年度末には実行状況についての検証をおこなったうえで改善点を抽出し、翌事業年度の年間計画に反映することによりPDCAサイクルを回しています。
業務の適正を確保するための体制(西武ホールディングス内部統制基本方針)
西武ホールディングス内部統制基本方針はこちらをご覧ください。
業務の適正を確保するための体制の運用状況
2021年度の運用状況については以下のとおりです。新型コロナウイルス感染症の影響下におきましても、お客さま、従業員への感染拡大防止を 念頭に置き、各種取組みを適切に行いました。
ア.コンプライアンス体制
・コンプライアンス経営を継続的に推進するため、ワークフロー、eラーニング、ウェブ配信などを活用し、コンプライアンスの浸透・定着活動やグループ各社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価及びモニタリング、反社会的勢力の排除についての活動を実施しました。
・西武グループ企業倫理規範で規定している「人権の尊重」について、西武グループの考え方をより具体的に示し、国内外で関心が高まる企業の人権侵害リスクに適切に対応すべく「西武グループ人権方針」を策定しました。
イ.文書・情報管理体制
・帳票類や承認手続きの電子化、ワークフローシステムのグループ展開等による、ペーパーレス化・ペーパーストックレス化を継続し、新たに電子契約システム導入にむけた準備を進めるなど、新型コロナウイルス感染症の影響に伴うリモートワーク主体の労働環境下でも、円滑な業務運営を実施しました。
・リモートワークの増加を踏まえ、情報セキュリティ対策として、ガイドラインの見直しや関連規程を改正するとともに、グループ各社会議での経営層への周知や、 eラーニングによる従業員への研修を実施しました。
ウ.リスクマネジメント体制
・経営計画目標達成に向けた阻害要因となるリスクを計画的・統合的に低減することを推進し、各種取り組みの進捗状況を確認しました。
・リスクマネジメントの更なる実効性の向上を目的に策定した、グループ共通でのリスクマネジメント計画を実行してまいりました。また、グループリスクマップを作成し、各リスクの重要度を検証しました。
・新型コロナウイルス感染症に関するリスクについても、新たにワクチンの職域接種をおこなうなど、お客さま・従業員の感染拡大を防止し、リスクマネジメントを実行いたしました。
エ.経営方針に則った効率的な意思決定・業務執行体制
・取締役会が、その役割・責務を適切に果たすために実施したアンケートでは、2021年度に改訂されたコーポレートガバナンス・コードに基づく質問項目を設定するなど、精度を高めて分析・評価をおこなった他、当該アンケート結果を基に、社外取締役を過半数とするコーポレート・ガバナンス会議をおこない、取締役会の実効性が確保できていることの確認及び課題の抽出・共有をおこないました。
・取締役会の実効性の向上に向け、会議資料の事前配付の徹底等により、各議案の検討時間を確保した他、経営のPDCAサイクルを意識した審議を充実させ、一層の議論の活発化をはかりました。
・フィックス方式で策定した中期経営計画の進捗状況の確認議案(経営改革や DX 、サステナビリティアクション等)は、経営会議・取締役会において他の議案よりも審議時間を多く取り、活発な議論を促進しました。
・経営会議・取締役会の運営体制としては、ウェブ会議システムを用いた資料共有に加え、ビデオ通話が可能なコラボレーションツールの活用、サテライト会場の設置により、引き続き感染予防策を徹底したうえで平常時と同等の十分な議論ができる環境を確保しました。
オ.グループ管理体制
・グループの監査品質の維持・向上をはかるため、グループ各社への教育、情報共有を行った他、グループ各社が実施した全監査について、検証・評価を実施しました。
・グループ各社からの付議・報告事項に関して、ワークフローシステムを活用するなど、リモートワーク環境下にても適正かつ効果的な管理体制を継続するとともに、グループ標準で活用できる新たなワークフローシステムの導入を進め、効率的な業務体制や業務、システムの統合化を図ってまいりました。
カ.監査役に関する体制
・監査役の職務の補助を目的として、サポート業務に専念するスタッフを配置し、独立性を確保しました。
・新型コロナウイルス感染症の影響が伴う労働環境下においても、スタッフの打合せにおいては、ウェブ会議等を活用し、齟齬のない意思疎通を徹底しました。また、リスク情報の共有にあたっては、システムを活用することにより、リモート対応を含め継続して行いました。
財務報告に係る内部統制を適切に整備・運用および評価し、財務報告の信頼性を確保する体制(西武グループ財務報告基本方針)
西武グループ財務報告基本方針はこちらをご覧ください。
業務運営の適正性および法令・社内規程等の遵守状況に関するモニタリングの体制
(西武グループ内部監査基本方針)
西武グループ内部監査基本方針はこちらをご覧ください。
コンプライアンスの浸透・定着への取り組み
西武グループは、西武ホールディングスを中心とするグループ全体のコンプライアンス体制の確立を目指しています。そのために西武ホールディングスでは、「グループビジョン」に基づいて作られた「西武グループ企業倫理規範」を中心に、「ルール」「組織」「浸透・定着活動」の3本柱の整備を行い、グループ各社との連携を図っています。
「西武グループ企業倫理規範 」とは、西武グループが社会の一員として責任を果たし、信頼される企業グループとなるために常に心がけるべき項目をまとめたもので、コンプライアンスに関する最も基本的なグループ統一のルールとなるものです。
ルール
西武グループ行動指針
「西武グループ企業倫理規範」に基づき、西武グループの役員・従業員一人ひとりが、業務を行っていく上で守るべき具体的な事柄についてまとめたものです。
コンプライアンスマニュアル
「西武グループ企業倫理規範」、「西武グループ行動指針」、「ケーススタディ」をまとめて冊子にしたもので、グループ全役員・全従業員に配布されています。マニュアルは、職場での話し合いやコンプライアンス研修などで活用されています。
コンプライアンスカード
業務を遂行していく上で判断に迷ったときなどに参考にできるよう、「西武グループ企業倫理規範」「西武グループ行動指針」やホットラインの連絡先などをカードにまとめたものです。グループ全役員・全従業員に配布されています。
西武グループコンプライアンス体制基本規程
グループコンプライアンス体制の運用に関する基本事項を定めたものです。コンプライアンスの浸透・定着のための体制や内部通報制度に関するルールが規定されています。
組織
グループのコンプライアンス体制
西武ホールディングスにグループのコンプライアンスを統括する部署としてコンプライアンス部を設け、グループ各社のコンプライアンス担当部署と連携して、体制の強化を図っています。
また、西武ホールディングスとグループ各社社長、社外委員により構成される「西武グループ企業倫理委員会」を設置し、グループ全体のコンプライアンス推進を図っています。
西武グループ企業倫理委員会
グループ全体でコンプライアンスを推進していくうえで、その体制の要として、企業倫理に関する基本方針・具体的施策の決定を行うとともに、推進状況の検証および見直し、企業倫理に関する問題解決および再発防止策の検討を行うことを目的に設立されました。2006年3月に「西武ホールディングス企業倫理委員会」を初めて行い、以降、定期的に開催しています。2009年度より、グループのコンプライアンス体制を更に強化するため、「西武グループ企業倫理委員会」と改め、1年に5回開催しています。
現在では、上記の内容に加え、コンプライアンスに関するさまざまなテーマについてディスカッションを行うなど、活発な議論が交わされています。
西武グループ企業倫理委員会委員構成(計10名) [2023年6月21日現在]
委員長 | 西山隆一郎(西武ホールディングス社長) |
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委員 |
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ホットライン(内部通報制度)
社内の問題の早期発見および早期解決を目的とするため、西武グループでは「企業倫理ホットライン」と「セクハラ・人間関係ホットライン」の2つの内部通報制度を設置しています。いずれも内部窓口と外部窓口(業務委託先および弁護士事務所)を設け、利用者の用途に応じて選択できるようになっています。利用できるのは、西武グループの全役員および全従業員、退職後1年以内の者です。実名での利用を原則としていますが、匿名でも受け付けます。ホットライン情報は、西武ホールディングスで一元管理し、必要に応じて専門家の助言・支援を受け、速やかな問題解決と再発防止、業務改善につなげています。
「企業倫理ホットライン」
コンプライアンスに関して問題となる事項を従業員が発見した時、それを会社として速やかに把握することで、より大きな問題に発展することを防ぐことを目的に設置。特定の行動について、コンプライアンス違反かどうかの相談や疑問も受け付けます。
「セクハラ・人間関係ホットライン」
ハラスメントおよび職場の人間関係についての相談窓口として設置。より気軽に相談できる環境整備および職場におけるハラスメントを抑止する効果が期待されます。
浸透・定着活動
コンプライアンス基本方針および中期目標の策定
西武ホールディングスでは、西武グループコンプライアンス基本方針「グループビジョンに基づいたコンプライアンスの実践」に基づき、西武鉄道がコンプライアンスに関する体系的な取り組みを開始した2004年を起点として、グループ全体のコンプライアンスに関する中期目標を策定しています。2019年度から2023年度は「従業員一人ひとりが、コンプライアンスを正しく理解し、コンプライアンスを「当たり前のこと」として行動する」を目標として、コンプライアンスの浸透定着をさらに進め、「社会からの期待に応える」西武グループを目指してまいります。
コンプライアンス行動計画の策定
年度ごとに、グループのコンプライアンス活動方針を西武ホールディングスで策定し、それに基づいてグループ各社ごとに具体的な行動計画を策定しています。コンプライアンスは各社が主体的に取り組むべきものであり、西武ホールディングスは、グループ各社の活動に対する助言・支援を行っています。
2023年度は、『一人ひとりが相手を思いやるコミュニケーションを実践し、社会や相手の期待にこたえよう』をスローガンにグループ全体でコンプライアンスの浸透・定着に取り組んでいます。
コンプライアンスウィークの実施
10月の第3週を「コンプライアンスウィーク」と定め、グループをあげてのコンプライアンス強化週間としています。グループ全体の取り組みとしては、コンプライアンスセミナーを行っています。
コンプライアンスアンケートの実施
コンプライアンスアンケートはグループ全役員・全従業員を対象に実施し、その結果は従業員にフィードバックするとともに、抽出した課題を踏まえて次年度以降のコンプライアンスプログラムに反映するなど、実効性の高いものにしています。
コンプライアンス研修
西武ホールディングスをはじめ、グループ各社で、さまざまな研修を実施し、コンプライアンスの浸透・定着を図っています。
西武グループ人権方針
西武グループは、生活のあらゆる場面でお客さまの行動と感動を創造し、地域に根ざした公共性の高い事業活動を行う企業グループとして、グループビジョンのスローガンである「でかける人を、ほほえむ人へ。」の実現に向けて、事業活動に関わるすべての人の人権を尊重してまいります。
『西武グループ企業倫理規範』で規定している「人権の尊重」について、西武グループの考え方をより具体的に示した「西武グループ人権方針 」を定め、人権尊重の取り組みを推進しています。
Myじんけん宣言を公表
西武グループは、法務省による「Myじんけん宣言」プロジェクトに賛同し、グループを代表して西武ホールディングス社長が 「Myじんけん宣言」を公表しました。
Myじんけん宣言 西武ホールディングス掲載ページ
https://www.jinken-library.jp/my-jinken/company_detail.php?p=MDAwMDAwNzA5Mw==