基本的な考え方
西武グループでは、グループビジョンの中で、「地域・社会の発展、環境の保全に貢献」すること、「常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れない」ことを宣言しています。鉄道やホテルをはじめ、多岐にわたり地域・社会と密接に事業を展開する西武グループにとって、自然環境・地域環境に配慮した事業活動は、持続的な成長の基盤となる優先課題です。西武グループでは、エネルギー使用の効率化などによる環境負荷を軽減することに加え、事業を通じた環境の保全に貢献することで自然環境や大気、水資源などに配慮するとともに、ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションをはかることによって、地域・社会の一員として信頼される企業グループとなり、持続的な成長を実現します。
西武グループ環境方針
西武グループ各社が、グループビジョンの実現を目指し、サステナビリティアクションに掲げたアジェンダを主とした環境課題に対応する取り組みを積極的、具体的 かつ体系的に推進することで、社会課題解決に貢献することを目的に「西武グループ環境方針」を策定しております。詳しくはこちらをご覧ください。
西武グループ環境負荷削減目標
西武グループでは従前より温暖化の一因となっているCO2の排出削減に積極的に取り組んでおります。今後も引き続きCO2排出量削減に取り組み、更なる地球温暖化防止への貢献に向けて、環境負荷削減目標を設定しております。
環境負荷削減目標
CO2排出量
長期目標:2050年度にネットゼロ
中期目標:2030年度までに2018年度比46%削減
短期目標:毎年度 前年度比5%削減
再生可能エネルギー導入率
長期目標:2050年度100%
中期目標:2030年度50%
西武グループが描きたい2050年の社会イメージ
環境負荷削減目標の達成、それに伴う気候変動リスク・機会への対応を図るため、「使用エネルギーの削減」、「使用エネルギーの代替」、「排出CO2の吸収」に適応した施策をグループ一丸となり積極的に進めてまいります。

インターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)
気候変動への対応を強力に推し進めるため、インターナルカーボンプライシング制度を導入しております。CO2排出量削減効果を得られる一部の設備投資において社内炭素価格(7,000円/t-CO2)を適用し、投資判断の一助としております。
西武グループ 環境データ
西武グループにおけるCO2排出量の他、水使用量、資源投入量、産業廃棄物排出量、食品廃棄物等発生量、化学物質取扱量、汚染物質排出量について「西武グループ ESGデータ」としてまとめております。
詳しくは以下をご覧ください。
グループ各社の取組み紹介
温室効果ガス削減
省エネ車両・設備導入



グループ各社の輸送サービスでは、環境負荷の少ない輸送手段の更なる効率化を目指し、省エネ車両やエネルギーを有効活用できる駅設備などの導入や電車・バス・タクシーの運転技術研究等を引き続き行うことで、使用エネルギーの低減に努めております。
- 最新技術のモーターを搭載し、省エネ化した新型特急車両「Laview」(年間消費電力量 代替対象車両10000系ニューレッドアロー1編成7両比約60%削減)、および新型通勤車両40000系車両(年間消費電力量 代替対象車両2000系10両編成比約60%削減)の導入
- 電車のブレーキ時に発生する回生電力を蓄電する回生電力貯蔵装置・駅舎補助電源装置の設置
- 一部車両および駅照明等のLED化
- 電車運転時に、力行(電車の加速)区間の短縮研究
- ハイブリッドバス・タクシーの導入
- 西武バス 東京都・埼玉県内の路線バスで初めて、 CO2排出量が少ない「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を使用した車両を運行
- 西武バス 水素を燃料とした燃料電池バスを運行
- 西武バス 新座営業所における大型EV路線バスの導入
- 伊豆箱根バス 民間企業で全国初となるEVバスの保有・路線運行(沼津駅―沼津港線)
自然エネルギーの活用(太陽光発電・水力発電・地熱活用)

グループ各社では、太陽光発電をはじめとした自然エネルギーを活用したエネルギー供給や冷暖房設備に地熱を活用することによって使用エネルギーの低減を図り、温室効果ガスの発生を抑制するための取り組みを進めております。
- 太陽光発電を全国で実施(年間約2.7万MWh発電)
- 水力発電を軽井沢にて実施(年間約148万KWh発電)
- 箱根湯の花プリンスホテルでは、温泉熱を活用したグリーンエネルギーによる冷暖房・給湯を使用、2023年5月よりバイナリー発電設備を導入し、使用電力量の約20%を賄う(年間CO2▲約187t)
- 地熱活用による冷暖房設備を万座プリンスホテルにて運用
- 西武鉄道山口線(愛称:レオライナー)で使用する電気使用量のすべてを西武リアルティソリューションズで運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」にて発電する環境価値がついた電力で賄うことにより、実質CO2排出ゼロで運行
- 西武ホールディングス本社ビル「ダイヤゲート池袋」で使用する電気使用量のすべてを西武リアルティソリューションズが運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」にて発電する環境価値がついた電力で賄うことにより、実質CO2排出量ゼロで運営(年間CO2▲約2,270t)
- 横浜・八景島シーパラダイスにおいて、水族館エリアで使用するすべての電気量を再生可能なエネルギーに由来する実質CO2排出ゼロの電力「はまっこ電気」に置き換えることにより、実質CO2排出ゼロ水族館を実現
- 東京ガーデンテラス紀尾井町で使用する全ての電力を100%再生可能エネルギー電力で賄うことで、実質CO2排出量ゼロを達成。
- 軽井沢・プリンスショッピングプラザにてオンサイトPPAによる太陽光発電を導入(年間CO2▲約870t)
- 西武バス 新座営業所においてオンサイトPPAを実施、および西武リアルティソリューションズで運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」にて発電する環境価値がついた電力で賄うことにより、実質CO2排出ゼロを実現(年間CO2▲約80t)
- 2024年1月1日(月・祝)から西武鉄道全線で使用する全ての電力を実質的に再生可能エネルギー由来の電力とし、実質CO2排出量ゼロで運行
西武グループの再生可能エネルギーはこちら
省エネオフィス・設備化
グループ各社では、新設オフィスビルの省エネ化をはじめ、高効率熱源機器の導入や照明のLED化の推進等、各設備の省エネ化を進めています。

2020年度
- 東京都環境確保条例「トップレベル事業所」認定(2021年3月東京都環境局)
- 「DBJ Green Building認証」Platinum(Plan)2020(2020年9月日本政策投資銀行)
その他の受賞・認証はこちら
- CASBEE 不動産 最高評価Sランク(2023年3月一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)
- DBJ Green Building認証 最高評価5つ星(2023年3月日本政策投資銀行)
- 2022年度省エネ大賞 資源エネルギー庁長官賞(省エネ事例部門 業務分野)(2022年12月一般財団法人省エネルギーセンター)
- 第63回 BCS賞(2022年8月日本建設業連合会)

2022年度
その他の受賞・認証はこちら
- 横浜市ブルーカーボンオフセット制度に参画し、横浜・八景島シーパラダイスにて「海水熱を使ったヒートポンプ導入」「わかめの地産地消」によってCO2削減(本制度は2022年度末で終了)
- 株主向け発送物に使用する封筒をカーボンオフセット付き封筒へ切り替え
- 西武鉄道 紙の遅延証明書を、Webでの発行へ切り替え
- 西武鉄道 一部磁気乗車券の発売終了、乗車ポイントサービスの導入
- 西武鉄道 サイクルトレイン運行により、CO2排出の少ない移動手段の提供
- ヒートポンプを活用した高効率熱源機器の導入によるCO2削減
- プリンスホテル、西武造園 自動芝刈り機の導入によるCO2削減
- プリンスホテル 都内8ホテルで共同配送システムの構築により、日本ホテル協会「社会的貢献表彰」を受賞(食品仕入れの際、各取引先がプリンスホテル指定の倉庫に納品し、倉庫から各ホテルが必要な食品のみをまとめて配送するシステム)
- 西武ライオンズ カーボンオフセットLPガスの導入
廃棄物削減
廃棄物削減に向けた取り組み

プリンスホテルでは、プラスチック使用量の抑制、食品廃棄物の削減・処理・リサイクルを進めるほか、グループ各社ではオフィス等からの廃棄物を削減するため、ICTを利活用しペーパーレス化を推進するほか、ゴミ分別の徹底や排出量管理を行う等各種取り組みを進めております。
- 購入ロットの見直し、食べ残し防止ポスター掲出などによる啓発、料理のスモールポーション化などによる食品ロスの削減
- 食品廃棄物の乾燥による減量および肥料への再利用
- 「プラスチック資源循環促進法」施行に伴い、プラスチック使用製品の使用量の抑制、再使用を推進
- 客室で提供されるオリジナルナチュラルミネラルウォーターをラベルレス& 100 %リサイクルペットボトルに変更し、水平リサイクル*を開始(本取り組みが評価され、日本ホテル協会「社会的貢献表彰」優秀賞を受賞 )
*ペットボトルをリサイクルして再びペットボトルとして使用する循環型リサイクルシステム - 西武ライオンズ 「SAVE THE EARTH Lions GREEN UP!プロジェクト」を2020年度シーズンより開始、球場内飲食店のプラスチック製品の廃止や削減、ペットボトルの水平リサイクル、食品残渣をバイオエナジーへリサイクル
- 西武鉄道 従業員向け備蓄品の更新時、賞味期限前の備蓄品をフードバンク等に寄付
- 西武鉄道 QRコードを活用したデジタル企画乗車券の発売
- 本川越ペペにおいて、お客さまの不要食品等を回収し、市内のこども食堂等に寄贈するフードドライブイベントを実施
- 上里SAにおける地元農産物の規格外品を活用した新商品を開発・販売
LOSS TO VALUEの推進

グループ内外のアセットだけでなく、「鳥の目・虫の目」両方の視点で課題設定から実装までを行うオープンプラットフォームとして、社会課題をテーマにした事業創出プロジェクト「LOSS TO VALUE」を推進しています。
循環型社会への貢献

西武鉄道や西武バスでは、引退車両や代替される機器等を他社へ譲渡し、解体にかかる環境負荷を軽減するほか、「飯能・西武の森」などから出る間伐材などを有効に取り組んでいます。
- 引退車両や保守点検車両、信号機器等の中古品を他社に譲渡
- 間伐材等の活用(ベンチ・ウッドチップ)
- 西武鉄道 豊島園駅新駅舎トイレへ、「としまえん」の伐採材を活用した壁面アートワークを設置
- 西武造園 大津市企業局において、浄水作業過程で発生するこれまで産廃処理を行っていた浄水場発生土を植栽土壌として有効利用
- 西武造園 植物系廃棄物の堆肥化を少ロットで行える技術確立
- 近江鉄道 民間バス事業者初となる、植物性廃食油のバイオディーゼルと軽油混合燃料を使用
- ホテルから出た生ごみを堆肥化し、その肥料をおさめた契約農家で生産された野菜を仕入れる「ヤサイクル」を実施し、食品循環を形成
- プリンスホテルリネンサプライ 廃棄資材を利用し、ピロケースや仕上げタオルなどを作製し、リネン資材として再利用
水資源の確保
水道水使用量の抑制

グループ各社では、貴重な水資源を確保するため、使用する水の量の抑制や再利用のための施策実施や設備導入を進めています。
- 井戸水の活用、排水・雨水の再利用
- 水使用量が従来比で少ないバス洗車機への更新
- ハワイのホテルにおいて、下水を浄水設備で浄化し、散水用として再利用
きれいな水を確保する取り組み

プリンスホテルでの取水地自治体への寄付による水質保全活動のほか、西武造園などでは工事等により発生する汚染水などに対して適切な対応を図ることで、水質汚染を防ぐ取組みを行っています。
- 販売している「南魚沼のおいしい湧き水」販売1本につき1円を水源のある新潟県南魚沼市へ寄付
- 西武造園 除草時に除草剤を使わず重曹の持つ成長抑制作用を用いることで水源、河川などへの除草剤の流出を発生させない工法の使用
- 伊豆・三津シーパラダイス こどもたちや学生を対象とした海洋保全の取組発信
森林や生物保護
緑を守る活動・緑を増やす活動

グループ各社では、保有資産に自生する樹木の保護に加え、周辺自治体等との連携により緑を守る活動・増やす活動を行っています。
- 飯能・西武の森(面積130ha)を行政・市民団体などとともに保全。(2017年に(財)都市緑化機構が実施するSEGES (社会・環境貢献緑地評価システム)において最高位「Superlative Stage」認定 、環境省「自然共生サイト(仮称)認定実証事業」において「認定相当」の評価を獲得)
- 秩父エリア各自治体が推進する地域環境活動(除草活動等)に参加者を誘致
- 持続的な環境保全への貢献として里山の原風景を有する狭山丘陵(所沢市三ケ島地区)の山林などを公益財団法人トトロのふるさと基金へ譲渡
- 東京ガーデンテラス紀尾井町にて良好な緑地を保全(日頃の活動、取組み等により2016年にSEGESにおいて「都市のオアシス」に認定)
- プリンスホテルの立地する北海道、群馬県、長野県、神奈川県、滋賀県にて自治体と協力し植林
- ハワイのホテルにおいて、地元環境保護団体と協働し、敷地内にハワイ固有の植物を植樹
- 西武ライオンズ こどもたちがみどりについて考えるきっかけとして埼玉県が実施する「彩の国みどりの絵画コンクール」において「埼玉西武ライオンズ賞」設立
西武造園の取組み


西武造園は“人”と“みどり”の環境創造サービス企業として、緑地空間の調査設計・企画や、施工・維持管理事業を全国的に展開しています。また、都市公園等の管理運営事業や、壁面緑化等の技術開発、環境教育プログラムの実施等を通じて、緑化の推進および普及啓発を図っています。また、地域戦略企業として西武緑化管理と横浜緑地があり、地域との連携・協働を促進しています。
- 壁面緑化、屋上緑化など特殊緑化技術の開発、普及
- 造園工事業における緑地空間の創出(年間1万本以上の高木、17万本以上の低木、36万株以上の地被類の植栽、年間3万㎡以上の芝生広場の施工)
- 都市公園等の管理運営事業
- 都市公園等での環境教育プログラムの実施
- 新規事業として農業分野に参入
生物保護のための活動

西武グループでは、生物多様性の保全を重視し様々な取り組みを行っており、「経団連生物多様性宣言」に賛同しております。
グループ各社では、海洋生物と生態系に影響を与えるとされているプラスチックごみ削減に向け、プラスチック製ストローの使用を廃止し、順次紙製に変えるなどの取り組みのほか、使い捨てビニール袋の廃止、プリンスホテルの客室内アメニティ不使用の提案などを進めております。
西武リアルティソリューションズは富士箱根伊豆国立公園や上信越高原国立公園等、日本各地の国立公園内にホテル施設を有しております。2018年には国立公園オフィシャルパートナーシッププログラムに基づき、環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結し、地域の活性化と自然・生物環境保護に配慮した事業活動に取り組んでいます。また、富良野ではゴルフ場跡地をNPO法人に貸与して自然返還を目指した植樹活動を行っております。
東京ガーデンテラス紀尾井町では、旧グランドプリンスホテル赤坂営業時に植樹されていた敷地内の樹木約200本を保存・再移植するとともに、新たに340本の樹木(3m超)を植樹し、竣工時から完成された緑地を形成しました。さらに200種以上の植物を植栽するなど、敷地全体の緑化率は約45%を確保することで、皇居や赤坂御用地など都心の貴重な緑地と連携したエコロジカル・ネットワーク(生態回廊)の形成に貢献する街づくりを目指しており、敷地中央には、隣接する弁慶濠から清水谷公園へ抜ける「緑の軸」を設定、また北側の「光の森」では、ビオトープを整備しています。
その他、グループ各社で様々な生物保護の取組みを行っています。
- プリンスホテル プラスチック製買い物袋の売上金を地方自治体に寄付し環境保全活動や社会貢献活動に活用
- 横浜八景島・台湾横浜八景島 希少生物の繁殖や傷ついた野生生物の救護・保護
- 西武ペットケア 保護犬猫の譲渡会をPET-SPA店舗やグループ施設で定期開催
- 環境省が主催する「生物多様性のための30by30アライアンス」へ参画
その他

サステナビリティアクションの取り組みを対外的に発信すること等を目的に、「SDGs×Lions GREEN UP! プロジェクトトレイン」を運行しています。